ログ2 遭遇
玄関の前で叫ぶ俺に母ちゃんが言った。
「あんたさ、外に出るならミコトの家に行ってきてちょうだい。この変な濃霧のせいかわからないけど、ミコトに何度も電話するのに繋がらないのよ。なんかあっても困るし行って見てきてちょうだい。」
え?ミコトおばさんと連絡とれないの?じゃあ行ってくるよってことで、家を出たんだわ。
俺の実家は高台に建つ11階建てのL字型のマンションなんだけど、その南棟の11Fの一番端が実家なんだ。
だから普段は見晴らし最高なんだけどさ、今日は違ったよ。
家を出ると濃霧がまるで身体に纏わりつくようで嫌な感じだ。
体感だが本当に数m先も見えない。
俺はエレベーターホールへ向かった。
南棟と西棟の繋ぎ目が大きなエレベーターホールになっていて、2Fではそこに付随するように別棟で大きな集会所も設置されてたりする。
エレベーターホールについてエレベーターのボタンを押そうとすると、途轍もなく嫌な予感がした。
濡れてしまうが、この嫌な予感には気を付けた方がいいと思い階段を選択するも指はボタンを押そうとしている
「おい。濡れたくねえよ。エレベーターで行くぞ!」
不意に俺が俺に声を発した!?
あん?お前は?と考えたところで合点がいった
あっ!あっこの身体本来の俺か!
18歳の俺「今日は頭の中がゴチャゴチャしてる。とりあえずエレベーター乗りたい」
いや、待ってくれ。お前も俺なら何となく嫌な予感がするのわかるだろ?だからやめておこう。濡れるの嫌だけど階段を使おう。
18歳の俺「ん~確かに変な感じするな。了解。でもなんか頭の中に何人かいる感じがして変だ。」
自分で自分と話してるウケル(笑)
そうか、この身体の主人格はあくまで18歳の俺か
今までは納得してたからすんなり動いたのか
まぁでも俺は俺だから18歳の俺もすんなり受け入れてる訳か
西棟へ行きそのまま8Fまで階段を下りる
ミコトおばさんの家は階段を下りてすぐの家だ
ピンポーン
ガチャ
おーす。ミコトおばさん。母さんが電話通じないから行って来いってことで来たけど、なんかあった?
ミコト「あら、龍。そうなのよ。電話繋がらないのよ。困ってたのよ雅もいないし。」
あっ雅いないんだ。どうしたの?
ミコト「初彼女が出来てモテるって調子にのって浮気して、彼女にキツいお灸据えられてるみたいよ。あんたも気をつけなさいね龍。」
いやいやおばさん俺彼女いないから大丈夫。
ぐすん。
したら、とりあえず電話以外は大丈夫なのね?
わんこたちも元気だね。
っといった瞬間に犬たちが騒ぎ始めた。
ブワッと全身から冷汗が出るのを感じる。
これは何かヤバイ前兆だと思い、ミコトおばさんに外は濃霧で危ないから家から出ないように。
戸締りをしっかりするように伝え、俺は急いでミコトおばさんの家を出て家に帰ろうとした。
西棟の階段を上り始め
9Fと10Fの間の丁度、踊り場のようなところで、嫌な予感は確信に変わった
10Fから降りてきたそれはマンションにいる訳がない体長2m体高1.5mを越える大きな豚だった。
そして、その豚は赤く染まっているように見えた。
それは返り血の様に見えた。
豚が何かを
血だらけの豚の口には人間だったであろう者の腕が
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