第29話



〜・〜


いつもの訓練中だった。



──ヴーヴー…


スマホが鳴った。

僕は隊員の相手をしながらポケットからそれを取り出し、電話をとる。

相手は、木田。



「はい」


『第一部隊指揮官、来い』


「了解」



電話を切った後、僕はスマホを宙に放り投げた。



そして。



隊員たちの懐に入り込み、一気にたたみ込んだ。


木製のナイフで首、胸、脇腹。

太い血管のある場所をトントンと突いていく。



終わったところで宙に放り投げたスマホを手で受けた。

パシッとした音がして手に収まる。



「はいはーい。今日の反省してて。

僕召集行ってくるから」



今日も今日とて気絶している隊員たちを後ろ目に、僕は立ち去った。


最高司令官室に向かって。







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