第21話

〜・〜



現場に駆けつけると、すでに怒号が響き渡っていた。

ルナから派遣されたスパイがすでに動いている。


ここにいたスパイは10人。

早く援護が必要だろう。



僕は一歩踏み出した。



「第一部隊15人は正面。36人は僕に着いてこい。それ以外の者は取りこぼしの処理。

第二部隊が来るまでに敵の頭目まで道を開ける」


『了解』



僕は頭目を討つことにあまり魅力を感じない。

腕っぷしはやはり戦闘部隊に劣る。

弱者を甚振る趣味はない。


そしてその戦闘部隊はどこにいるのかと言えば先行隊と護衛の2箇所に固まる。


僕らの仕事は道を切り開くこと。



つまり、



敵の戦闘隊指揮官を討つことだ。




僕は左手に銃、右手にナイフをもってズカズカと正面から入った。



「クソッ。──ルナが来たぞ!」



敵方が険しい表情を浮かべる。

そして僕はニヒルな笑みをそれに返した。



「こんばんは。そしてさようなら」



戦闘は心踊る。

どんな組織も、戦闘部隊はそこそこ強い。


それを自分の手で相手取れるのはいい。

第二部隊に入っていたらできないことだった。

やはり僕は第一部隊に入ってよかった。



僕に続いて隊員たちが続く。



僕はナイフを振りかざし、それと同時に後ろから襲ってきた敵の頭に向かって発砲する。


そらからくるりとまた回転し、銃をもう1発。

敵方の眉間に。



「ははっ!よっわ」



敵方の専攻隊はすぐに鎮圧できた。

次は、頭目の護衛。

つまり、敵方の最強勢力の元へと向かう。


僕の後ろにいる奴らもそれに従って戦闘を進めながら着いてくる。



そうして歩けば歩くほど敵方の護衛たちが目の前にどんどん踊り出てくる。



僕はそれが嬉しくて、笑みがとまらなかった。




「さぁ!踊ろう!」




胸を昂らせながら、僕は今日も戦前に立ち向かう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る