第5話



そんなこんなで、僕は自力でルナを探した。


方法は簡単である。

ニュースで見た朝倉組残党を"積極的"に探した。


ルナが残党を探しているのなら、それで接触できるはずだ。

人が多い場所に紛れているだろう。


木の葉は木の葉に隠す。

本は本棚に隠す。


人は人の中にってね。


…ほぉら。3人まとめて一緒にいた。









みっけ。








「こんにちは!」


「…なんだ?ガキ」



朝倉組残党は私服姿だった。

全体的にダボダボな服を着ている、男3人。


"組"と言うだけあって、彼らは暴力団関係者。

銃の一つや二つ。

いや、三つも四つもあればいいな。


銃口を向けられたことはない。


その時自分が何を感じるのか、

僕はワクワクしていた。



「君ら、朝倉組の人だよね」


「……っ」



相手の顔が歪む。


そうして街中にも関わらず、袖口そでぐちからナイフを取り出した。

そうしてナイフを僕に向かって振りかざす。


鉄パイプは向けられたことがあった。

でも、ナイフは初めてだ。





僕は、






高揚感でたまらなくなって。







顔が笑みで崩れた。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る