第6話



ナイフを振りかざす相手のふところに自ら突っ込む。


片手でそのナイフを弾き飛ばすと、思ったより簡単に飛んで行った。



周囲が悲鳴をあげてパニックになり、僕たちの周りから人が消えていく。



そんな中、僕は1人目を殴りつけた。

バキッというか鈍い音ともに男の顎が外れる。


男は急所である顎を外れたせいで起き上がれていない。


それを見た仲間が今度は銃口を向けてきた。

こんな騒ぎになれば、ルナが来るから。

彼らは焦っているのだ。




でも僕は、今はルナだろうが朝倉組だろうがどうでもよかった。



目の前にある絶対的不可侵を、


捻じ曲げてやりたい。




至近距離で銃声が鳴る。


僕は避けなかった。

再びそのまま突っ込む。


銃弾は僕の首先をかすめて地面に銃痕を作る。


そうして2人目、3人目もした。



「……あーあ」



終わると途端につまらなくなる。

もっと。


もっとスリル満点じゃなきゃダメだ。


一般人より強くて。

武器を持った3人の男より強くて。


もっと、

息が止まるくらいの殺意が欲しい。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る