2

 再会から一ヶ月後、悠は恒を食事に誘った。恒は定時で帰れそうな日を提案し、二人は仕事終わりに店で待ち合わせた。

「これから仕事が忙しくなる」

 注文を終えると、悠は机に項垂れる。

「そっちも?こっちもより一層忙しくなる。みんなこれからまた頑張っていくって時だからな」

「そうよね」

「仕事がひと段落したらお互い休みの日にどこか出かけね?」

 それを聞いた悠は一気に頭を上げる。

「行きます!」

「お、おう。どこか行きたいとこある?」

「そうね、水族館かな。癒し!」

「はは、了解。夜は俺ん家で宅飲みはどう?」

「いいの?ありがとう!」

「それまで仕事頑張ろうぜ」

 二人はグータッチをしてお互いの健闘を祈った。それからは二人とも残業の日々。時々生存確認として連絡することもあった。お互い励まし合い、これから楽しみがあると考えたことで、最後まで仕事をやり切ることが出来た。お出かけの日は約束から二週間後となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る