無題

虫けら

18時07分

均等に刻まれる鼓動から

置いてけぼりにされた空白

果ての果てへと行き着きたかった

誰の彼さへいない岬まで

何もかも詭弁だった

誰かが死ねと言っている

声は鳴り止まず

焦る心拍鳴り止まず

息が浅くなり事切れてしまえばいいのに

私の身体が憎らしかった

甘えだと言われた気がして酷く腹が立った

じゃあ死ぬよなんて口が裂けても言えなかった

母親に死ねと言われるならいい

先生に死ねと言われても構わない

他人なら尚更いい

死ねと言った誰かは自分だった

自分で自分に死ねと言っていた

逃げ場なんてどこにもない

行き着く先は地獄か天国か

どうでもいい

死んでしまえ全てが消えてなくなってしまえ

置き時計が針を進めた

私の鼓動は鳴り止まなかった






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

無題 虫けら @maru6h2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る