砕鋼貫魂突覇滅天穿撃鋭破

Epilogue

　かくして西暦二〇七〇年。フォート・パシフィカ侵攻事件における戦果を認定されたカレン・カザミは、その名をＵＤＦの公式記録の片隅に刻むこととなった。

　西暦二〇七三年。その後もストライダーとしての正式な訓練を受け続けたカレンはＵＤＦアカデミーを首席で卒業。その成長は著しく、彼女の戦術眼とアーコスの駆走技術は次第に頭角を現していった。彼女はＵＤＦの精鋭部隊に配属され、幾多の戦場を駆け抜け数多くの勝利をもたらした。特にＵＤＦ内部に潜むネミス受容派勢力の一斉検挙及び、その徒輩との大規模紛争における活躍は、取り立てて語るべき戦果と言えるだろう。

　そして西暦二〇七五年。彼女は上海湾岸奪還作戦において決定的な役割を果たしたことで、その功績により世界に名を知らしめることとなる。

　コードネーム【ストランド】。その識別名にかつての英雄の名を重ねる者は少なくない。糸（スレッド）から紐（ストランド）へ、魂は継承される。

　戦史に燦然と刻まれたそれは、カレン・カザミ中佐に与えられた名だ。

　それが、ＵＤＦの誇る伝説のストライダーの名となるのは、まだほんの少し未来の話である。