第11話
私は一旦何が起きたのかを整理する。
目を開けた途端気づいたことは
車内に私以外誰もいないということだ。
何が起きている。再び謎が謎を呼ぶ。
停止した車、一瞬の静寂が両耳を覆う。
向こう側からは煙が上がる。
何が起きているのか、
私は慌てて車から降りる。
鍵が施錠されていて何度かドアを開けたのち、車を出ることができた。
気が動転しているのだろうか、
まさに青天の霹靂の出来事である。
人が私の他に誰もいない。影すらもないのだ。
その横転したトラックに近づいていく。
耳鳴りがする。とても刺激的な音だ。
何度私はそれを繰り返している?
何度も見ているような景色だ。
デジャヴのようなものを感じた。
後ろだ、誰かがいる。喜代野。
「気づきましたかい、あんたは
時空を歪めてしまったんだよ」
突発的な発言に頭を悩ませる。
彼は何を言っているんだ。
気がつけば23秒のラグが消えていたのだ。
「簡単に説明すると、
この未来はあんたの未来だ。
あの時エレベーターに
乗っていなかった未来が
車に乗っていてここを通る。
乗っていた未来が通りを歩いている。
それにみんなバグらされていた。
そのふた通りの未来にラグが生じて
こんな事件が起きた。
要はあんたはエレベーターの事故で
死んでいたはずなんだよ」
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