第13話 013

 訓練を終えた僕とユイの2人は隣のギルドハウスの2階いた。アルト抜きでパンとスープそしてサラダを食べていた。


「ユイさんは、魔法使わないのですか?」

「ふふ、憶えてはいますよ。そのうちお披露目させていただくこともあるでしょうね。」

「リョウタはライトを憶えていましたし、将来はバックパッカーから付与師にもなるつもりですか?剣さっぱりでしたしね。」


 脳筋剣士ユイ様は、何かにつけて剣の事としゃべるようだ。付与師とは、ダンジョン入り口付近で冒険者に強化用の魔法を配り金をもらう魔法使いの事らしい。当然多くの魔法を憶えることで体力は低く、戦う能力も低いために、バックパッカーとしてパーティーに参加をして補助魔法を取得していくそうだ。


 夕食も終わり水を飲むユイに向かってこれから明日の予定を決めたい、なぜならさすがにユイの宿舎に止まるわけには行かないだろうからだ。


「お疲れ様です。僕はここで寝ますのでまた明日はここで待ち合わせでもいいですか?アルトにも伝えておいてほしいです。」

「あら?宿にはこられないのですか?」


 このまま食堂で夜を過ごそうと思っていた僕は、ユイの言葉の対応に困った。


「お兄様は今日は帰ってこないでしょうからベット空いていますよ。そうでなくても床で寝ればいいでしょう?こちらよりはよく寝れると思いますよ」


 いやいや、アルトがいないからまずいのじゃないかと・・・考える僕の袖は引っ張られ宿の方に向かった。僕は抵抗せずにユイの宿舎へと向かった。今僕はちょっと、いやかなりドキドキしている。


・・・


ユイがとった部屋はダンジョン帰りに食べた食堂のすぐ目の前で、見た感じこの町で一番ランクの高い宿なのだろう、冒険者が止まるような部屋ではなく、旅行者が宿泊するような部屋だった。

 

 この世界には夜がないために、照明がなく、光の加減を薄いカーテンや分厚いカーテンで調節しているようだ。僕は部屋中央で右手を上げライトを使い。アルトのバックに松明を戻した。そして部屋分厚いカーテンを引く。その後、風呂場、トイレでもライトを使った。その時ふと思っ疑問をユイに投げ掛けた。


「もし同じ魔法をずっと使い続けるとどうなるのかわりますか?」

「どうにもならないのではないですか?」

「魔力切れとかないのですか?」

「そうですね。もちろん魔力がなくなれば魔法は使えませんよ。生まれた時の資質が高いものほど連続で魔法を唱えることができると本で読んだ覚えがありますよ。」


 表示はされていないがステータスにMP?もあるのだろう。まぁ地球人はその辺んがかなり弱そうな感じもする。


「それにしてもこんなに運動したのは久しぶりです。疲れましたね。」

「はい、そうですね。そのうち僕も魔物を倒せるようになりたいです。」

「ふふ、ステータスを上がればスケルトンくらいならすぐに倒せるようになりますよ。先にお風呂をいただきますね。」


 そういって風呂場の方へ歩いて行った。やばいドキドキする。これは何かあってもいいのじゃないかそう思いながら僕は布団に腰かけた、そう椅子じゃなくて布団にだ、きっとお風呂でたら入ってきたらと言われ・・・そのあとは!

 

 想定通り風呂から上がったユイは僕の期待通りに風呂をすすめ、僕の期待はてっぺんまで上がった。だが僕が風呂から出た時には、ユイは静かに寝息を立てていたのだ。ですよね・・・。部屋の中央で膝をつき、そりゃそうだと悔しんだ・・・。ユイの寝顔を確認した後に、ライトを消し。布団に入る・・・


 あれ?冷静に考えたらそれほどいい雰囲気ではなかったのかもしれない。それにこの世界では、パーティーを組んでいる場合では男女が同じ部屋で寝る事なんて冒険者では当たり前なのかもしれない。なんでずっとこんなことを考えているのかというと寝顔気になって・・・まったく寝れる気がしない。


 僕は最後の手段と布団から飛び出して暗い部屋の中で寝落ちするまで腕立て伏せをしたのだった。

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