第6話 006
ははは、そう来ましたか、そうですかそういうことか、みぐるみはがされるのではなく、どっかのアニメであったように安い給料で鬼のように働かせようってこと事だな。恐ろしい。イケメン怖い・・・。
「どうだ新人冒険者同士助け合わないか?」
これはなんとか断らないと、できるだけ穏便に・・・下手に答えたらきっとぐーぱんでのされるのだ。
「王都に帰るだけで荷物運びが必要なんて思いませんし僕は冒険者になったのですから冒険がしたいです。」
ひぃなんか自分の言葉に棘があった、これは殺されるかもしれない僕じゃ普通に殺される。僕の返答を聞いたイケメンが突然立ち上がり僕は死の覚悟をした。
「冒険って言ったらやっぱり魔物退治にダンジョン踏破だよなぁ。」
なぜだかアルトは僕の言葉を肯定した。そしてバンっと机を叩いた。
「どうせ何も知らないだろうから教えてやるよ。町などにある碑石のほかに森や山、もちろんダンジョンにも碑石がある。俺は王都から来たのだけど王都から来る途中の町では当然全部碑石を触ってきたよ。」
「帰りは当然、迷宮やダンジョンの碑石に挑戦するつもりだ。それはもちろん行きよりも帰りに回った方が生還率も高いからな」
そういうことか、確かにレベルがあるわけでも無いようだし、そのほうが安全かもしれない。「でもなんで僕になるのですか?」という思いしかないし聞いてみた。
「ま、なんとなくさ、でもあれだろ?同レベルのやつや上のやつにお前、荷物持ちな!なんて言ったら即バトルだろ?その点お前ならって思ったんだよ!」
おいおいぶっちゃけすぎだろ。新人冒険者同士なのにすでに完全に格下扱いだ。答えに困る僕の表情を察したアルトがさらに押してくる。
「1日1000ポイントでどうだ?冒険者になったのは1日目だが、ダンジョンや洞窟は何度か攻略したことがあるんだぞ。」
何も知らないでソロで冒険をするよりは、いい条件だ。それに思ったより悪い奴でなさそうな気がしてきたし・・・。でも1日1000ポイントは酷すぎではなかろうか?王都までの道案内とこの世界の情報を聞き出すにははちょうどいい相手かもしれないけど。
「1日1000は、少なくないですか?もう一声できないでしょうか?命もかかっているわけですし・・・」
「それ、それだよ。食うのに金なんてそこまでいらないだろ?外に行けば魔物食えるし、木の実だってある。それにバックパッカーとして雇う金額としてはそれだが戦うなら報酬はちゃんと分割するぞ。」
「パン派ならしょうがないが?俺達は冒険者なんだからな。武器も何もかもダンジョンで探せばいいんだよ。」
はっそうか冒険者たるもの外で食べられるものを探せばいいのか、だがそんな自信は当然ない。そういうノウハウを身に着けるための修行と思うべきなのだろうか?命かけて1日1000ポイントと考えたら安いだろうがこのままソロでダンジョンに挑むよりは断然良さそうだ。それに働けば分け前もくれるようだし、10分ほどなやみ苦渋の決断ながら僕の答えは決まった。
「そういうことなら1日1000でお願いします。」
「よしきた!!」
「契約成立だな。じゃこれは明日の分な!明日の冒険のために今日は早く寝ておけよ!ここに迎えに来るからな。」
初めての報酬をささっと渡されてしまって逃げれなくなった僕は、少し不安もあるが「わかりました」と返事をしてアルトと別れた。彼は、ギルド寝ているわけではないようで鼻歌を歌いながら陽気に階段のほうへ消えていく。
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