第4話 最初で最後のラブレター

あなたが好きです。私上手く隠せてたかな。

頑張って1年間かくしてきたけど、気づかれてたらすごく恥ずかしいね。


低い声が好きです。切れ長の目が好きです。大きな手が好きです。周りをよく見れてるところが好きです。いつも周りをきづかってる優しいところが好きです。周りの目を気にして不安になりながら頑張ってるところが好きです。自分の意見より周りの意見や声を優先する優しさが好きです。無邪気な笑顔が好きです。


まだいっぱいあるけどずっとずっと好きでした。

でも私のことは好きじゃないのを知ってます。今、好きな人か恋人がいることも知ってます。

私のことは先輩か、良くて友達と思ってくれてるかな。


気まずくなりたくなくて、嫌いになってほしくなくて、ずっと言えなくてごめんなさい。

結局勇気が出なくて手紙になっちゃってごめんなさい。


本心はずっと私だけを見て欲しいし、ひとりじめしたいし、電話もたくさんしたいし、たくさん手を繋いで欲しいし、もっと頭を撫でて欲しい。恋人でもないのに嫉妬しながら近くにいる自分がいつも気持ち悪かった。


2人きりの帰り道も、一緒にいれる時間が多くなって嬉しかった。だから早く帰りたそうに1人で帰るあなたを見て、私への対応が少し変わって、大切な人が出来たんだなってすぐ気づいたよ。


「もっと言いたいこと言いな」って言ってくれてたけど、困らせることは分かってたから言えなかったんです。


全部我慢しちゃう私が困ってたり悩んでたりしてた時、細かいところを気づかってくれる優しさに気づいた時から好きになってました。

でも女の人になら誰にでもやるんだとも思ってる。

だけど、今まで生きててそんな対応されたこと無かったし、私に頼りきりになる人はいても、気にしてくれる人なんていなかったから簡単に好きになってました。我ながらチョロいなーって思います。笑


彼女がいた時から好きで、振られて落ち込んでるあなたを励ましてあげたかったけど、チャンスがあるかもって喜んじゃった。

彼女がいる時から好きだったから新しい恋人ができても諦められなくてごめんね。気にせず幸せになってね。


ただ一つだけ大きな嘘をついてたので、最後に本当のことを言います。

私お酒で記憶が無くなったことないんだ。

私が酔っ払って色々やってる事、シラフじゃ素直になれないだけで全部自分の意思だったんだ。きっと迷惑だったと思うから、忘れたふりしてました。

忘れられないのが本当に悔しくて苦しかったよ。

忘れたふりなんかして、ズルい大人でごめんね。ちゃんと覚えてるし、ちゃんと嬉しかったです。


最後に私のわがままを聞いてくれたら嬉しいです。私の気持ちに答えてくれるならいつか返事をください。

答えられないなら何も言わずに消えさせてください。

夢を夢のままで終わらせて。私なんていなかったように忘れて幸せになってください。


長々と書いたけど、言いたいことは一つだけ。

大好きでした。幸せになってください。

ばいばい。

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届くことないラブレター 琴星ルイ @Kotose-Rui

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