第2話 ドス黒い私
3月27日
あなたが彼女と別れた事を聞きました。死にたくなるくらい落ち込んで苦しんでいるあなたをみてたのに、「これでもっと私をみてくれるかな」なんて喜んでしまったのは私だけの秘密。
こんな醜い私を知らないでね。
ピュアで純粋な私だけをみていて欲しいと思うのは私のわがままかな。
5月18日
あなたがまた私に口付けた。それは耳や首にも。
色ぽく微笑むあなただけど、決して一線は踏み込まない。恋人みたいな距離感で私の心をバグらせて、あなたは友達みたいに振る舞う。
私の頭を優しく撫でるあなたはどんな気持ちでいるの?
あなたを試してみるのも良いかもしれない。あなたの本当を教えて欲しい。
7月9日
酔っ払ったフリであなたを試してみた。
お酒の力を使って、いつも隠してる本心をぶちまけてみた。抱きついてみた、顔を近づけてみた。力が入らなくてフラフラしてたけど、あの日の行動は全部自分の意思。
酔った私にキスした事、足や胸に優しく触れた事、あなたと交わりかけたこと。本当は全部覚えてます。
あなたが直前で踏みとどまったのは優しさですか?
私の心と体はあなたを求めてた。だけどあなたに嫌われたくなくて、気まずくなりたくなくて、あなたとずっと隣にいたくて、お酒で記憶がないふりをしました。私があなたについた最初の嘘。
8月25日
あなたに求められた日が忘れられなくて、また酔っ払ったふり。
あの日と同じ甘い空気が車に流れてた。恋人じゃないのに恋人みたいな距離感。触れ合ってキスをして抱きしめて。確信のある言葉はないけどどこかで気持ちは一緒だって思ってたよ。
好きだって気持ち全部伝えて一緒になりたかったけど、やっぱり勇気が出ない私を許して欲しい。
けど、伝えなくても伝わってるって。いつか言える時まで待っててくれるって信じてた。
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