数字
スマートフォンを開くと嫌でも目に入る。
フォロワー数、再生数、いいね数、閲覧数。
見る度に溜め息が溢れ、一度画面を暗くするのが私の日常だ。そんなに数字が好きならば、学者か数学教師にでもなればいい。
もう一度画面を明るくしても、やはり飛び込んでくるのは数字の羅列。目が痛くなる。思考が止まる。
「バカばっかり、何がいいんだか」
車窓を眺め、空の青さと生活感を感じさせる洗濯物を見つめる。それでいい。現実にあるものを見つめればいい。
毎朝そう思っては、パジャマを着替えてベッドに転がることには忘れている。
私はハートマークをタップし、それらが返ってくるのを待っている。
「よっしゃ!閲覧数伸びてる」
嬉しさを噛み締めて眠りにつき、そして目覚めたときには再び数字に眉を顰める。
結局人間なんてさ。
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