寝起きの男の話

暗黒神ゼブラ

寝起きの男の話

「典善(のりよし)とっとも起きろ!!」

と俺のことを呼びながら叩き起こす母さんの声と共に一日が始まる

「分かったよ」と言って俺は部屋に飾ってある真剣で母さんを切り殺した。

まあこれがいつもの流れだ

母さんはとある施設で実験体として捕まっていたこともあり何度死んでも蘇る身体になっていた。

そのためか俺が危険な目に遭わないようにと朝に……とくに寝起きでも人を殺せるようにするためにと母さんは「毎朝叩き起こしにいくから毎日私を何かしらの方法で殺せ!!」と言ってきたので今ではこれが習慣になっている

大体母さんは殺されてから二分ほどで蘇る

「ふう、典善……あんた殺すまでに時間かかりすぎるよ!! 殺すなら迷わず一瞬で殺してあげること、分かった? それに今日あんた大事な仕事があるって言ってたでしょ……でターゲットは誰なの?」

俺は普段は言わないが今回はターゲットがターゲットなのでいうことにした。

「ヨミノワクワク研究所の所長の黄泉野優和(よみのまさかず)」

そう、この黄泉野優和に母さんは誘拐され幾度となく残酷で残忍な実験が行われた……と母さんから聞いている。

俺は見たわけではない、だから実際にはどのような実験が行われたのか知らない。

母さんは驚きながらも喜んだのか喜んでないのがよく分からないような顔をして

「ようやくあの男が死ぬのか」と言ってきた。

俺は「確実に成功するとは限らないからな!!」と念を押した。

何事も成功だけとは限らない、必ず失敗はある……が今回は失敗は許されない。

なぜなら……黄泉野優和は俺の父であり母さんと結婚している相手だからだ

こういうのをストックホルム症候群、リマ症候群と言うのだろうか?

俺は母さんに行ってきますと伝えて家を出た。

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「……えっこれで第一章おしまいなの!? せっかく面白そうと思ってこの『ヨミエノイリグチ』の映画を観にきたのにぃぃ、原作だと殺し屋アクション物の話かと思ったらまさかの父×息子のBLになったのが驚いて映画化するって聞いたから仕事終わりに観にきたのに……ああスタッフさんそんなに怯えなくていいよ」

スタッフさんが怯えているのは……まあこれが理由だろうな

「おっお客様……どうして床に死体が……」

俺は人間がどのくらい痛めつけても大丈夫なのか確かめるために満席になるほど集まった人間を全て痛めつけたあとに殺した。

……これで星に帰れる

「これからは俺たちが貴様ら人間に報復する番だ!!」

「お客様なにを……」

バタン

よしこれで全員っと。

あとは船に地球にきてもらうように連絡するだけか

「もしもし……えっ誰って、もう忘れるなよな。サ・ラルバ・ヤマだよ……間違えた。

いやぁ地球に面白い物語がたくさんあってな偽名にって考えたのがつい出てきてな……そうそう、そんなバカことを考えるのは俺だけ……ってバカってなんだバカって!! あっそれと地球に攻めても大丈夫って連絡だから……うん、じゃあ提督に伝えといて……じゃっ切るね」

これで地球もおしまいだな。

あと俺は本名はガリルテ・サマガリア

地球が放った衛星が俺たちの惑星"グリュンバーク星"に毎日何度も何度も落ちてきて……百五十億いた惑星の人口も千人……いるかいないかぐらいまで減っている。

そんな中地球を攻めると言ってくれたのが提督だ。

提督は我が星の希望であり……我が星の頂点であるお方。

今まで五十以上の惑星を提督一人で潰してきた。地球に人数を割くのは今までの恨みを一瞬で終わられてはつまらないからだと提督は言っていた。

地球の人間ども覚悟しとけ今度は俺たちのやり返す番だ!!!


おしまい

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