第69話「ちょっとした幕間」
「あっ」
「え?」
夢蟷螂がランドセルを担いで歩いていると、目の前にはセーラー服を着たパンダが立っていた。
パンダとの壮絶な戦闘を思い出した夢蟷螂は、すぐに逃げた。
「待ってくれ!」
「うわぁぁぁ! この前はごめんなさい! あの時は敵同士だっただけで、パンダさんが憎かったわけじゃないです!」
夢蟷螂の足が遅いせいで、パンダにあっさり捕まった。
「あわわ、た、食べないでぇ」
「お前、告死蝶のチビだよな? 名前なんて言うの?」
「ゆ、夢ちゃんです」
「そっか! 夢ちゃん! 実はお前と再会できたら頼みたい事があったのだ!」
♡♤♧♢
「さ、逆ちゃん、居るぅ?」
夢蟷螂とパンダは、とある港の倉庫に入ると、奥から鋼鉄の怪獣である
「Oooo?」
パンダが逆角蝉を見ると、目を輝かせながら逆角蝉に頼んだ。
「なぁなぁ逆ちゃん! 私を肩に乗せて歩いてくれないか? 逆ちゃんと夢ちゃんと戦ってる時に思ってたけど、私も夢ちゃんみたいに逆ちゃんの肩に乗りたいぞぉ!」
逆角蝉は、夢蟷螂に視線を送って、この状況を把握した後に逆角蝉はパンダに親指を立てた。
逆角蝉は喋れないので、これが彼女なりのOKサインである。
「わーい!」
3mもある逆角蝉の巨体を軽く登って、パンダは逆角蝉の肩に乗った。
「すごーい! 目線が高くなったぞぉ! 怪獣さんの肩に乗って歩けて最高なのだ!」
「Oooooo!」
逆角蝉は、夢蟷螂も自分の肩に乗せて、三人で港を歩き始めた。
「その、パンダさんは、私達が憎くないのですか?」
「え? 別に? あの時は敵同士だっただけだし、それに世界平和とか考えてたけど、よくよく考えたら、私には荷が重すぎるし、別の誰かさんに頼んだ方が楽だと私は悟ったのだ」
「は、はぁ、私が思ってる以上にパンダさんは、達観してますね」
三人で海に沈む夕陽を眺めていると、逆角蝉が肩に乗ってる夢蟷螂とパンダにキャンディーをプレゼントした。
「え!? 逆ちゃん、敵だった私にお菓子くれるのか!?」
「Aaaaa」
逆角蝉からキャンディーを受け取ったパンダは笑顔を浮かべた。
「えへへ、運命って何が起こるか分からないね! この前まで敵同士だったのに、こんなに仲良くなれて私は嬉しいぞー!」
「Oooooo!」
こうして、パンダは夢蟷螂と逆角蝉と友達になれたのであった。
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