第33話「新しい家族」
「はぁ」
僕は気が重い、今は中学校に居るし、来年は姉さんと同じ高校に通う予定だけど。
ここでは普通の学生として過ごしてるし、プライベートで女装をしてるのは内緒。
なんかなぁ、秤蜘蛛や国連の調査で世界各地の巨大な7つの組織が日本に向かってると言う危機的状況なのに秤蜘蛛からは「星音様は、いつも通り過ごしてください。変に警戒されると逆に怪しまれます」と注意を受けたけど。
不安すぎる。
しかも、女装伯爵の事件以来、家には猫を飼うようになってしまったし。
♡♤♧♢
「おかえりなさいませ星音様!」
僕が家に帰るとメイド服を着て猫耳を付けた女装集団が出迎えてくれた。
全員で四人。
キジトラ、サビネコ、シャム、ラグドール。
キジトラは黒髪ショートヘアーの子で。
サビネコはゆるふわパーマの子。
シャムは褐色肌で元気っ子。
ラグドールは茶髪ロングヘアーの子。
今日から僕達の家族となる猫達である。
……なんでこうなった!?
「あ、おかえり星音」
「お、お姉ちゃん? なんでイエネコの人達がウチに居るの?」
「さぁ? なんか分からないけど今日からウチで働いてくれるんだって」
そう、あの事件以来、何故か宗教集団イエネコは月音姉さんの配下になったらしく。
資金面の面倒から家事の手伝いまでしてくれるらしい。
何がどうなってこうなったのか、これが分からない。
「星音様星音様! 今日はどんな女装をしますか!? シャムは星音様の女装姿が見たいです!」
「あ、あはは、ちょーと待っててくれるかな?」
♡♤♧♢
「助けて秤蜘蛛! ウチに4匹もの猫を飼う事になった!」
『そんなドラ◯もんみたいに言わないでくださいよ。むしろ好都合でしょう。イエネコと言う組織を配下にできたのは良い収穫です。イチイチ僕が月音様を監視する必要性も無くなりましたし。彼女(?)達が常に月音様を守ってくれるなら、日本に侵攻している組織達に集中する事ができます』
「えぇ? イエネコなんて得体の知れない組織に姉さんを任せるの?」
『ふむ、彼女達を甘く見ない方が良いかと、仮にも猫のコードネームを持つ者達ですし、家猫をみくびらない方が良いですよ? 野生から離れた猫ですが、それでも彼女達は肉食獣なのは変わりませんから』
「はぁぁぁぁ、イエネコが我が家の守り神になるかどうか、怪しいものだ」
♡♤♧♢
「おお! とってもお似合いです星音様!」
星音がキジトラちゃん達によってメイド服を着て、しかも猫耳まで付けてくれた。
我が家に5匹もの可愛い猫ちゃん達が増えてしまった。
「月音様月音様! シャムを褒めてくださいにゃー!」
「こらシャム、月音様に迷惑をかけない!」
いやー、なんか知らんけど我が家が賑やかになったなぁ。
しかもラグドールちゃんが作ってくれたご飯が美味すぎる!
今まで私と星音だけだった我が家がこんなにも騒がしくなるなんて。
……それにしても、お母さんとお父さんは、いつになったら帰ってくるのかな?
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