第16話 標記の話の続き
かぎ括弧の話をもう少し続けます。
カクヨムのシステムで《》は、ルビとして認識されます。
「君は《そして誰もいなくなった》を読んだことがあるかね?」
ならいいのですが、『そして誰もいなくなった』のまえに名作という言葉を入れたりすると、大変なことになります。
「君は
システムが、《そして誰もいなくなった》をルビと判断してこうなってしまうので、カクヨムでは基本《》は使用しない方が良いです。ルビについてはあとで語ります。
かぎ括弧は、小説の中ではセリフであるというマークとして使われます。
「」の中身はキャラクターの言ったセリフです。
書籍のルールとしては、長文セリフの場合、改行はいれません。
いれる場合は、前行の文末に」を入れず、改行した行頭に「をいれるというルールがありましたが、昨今は見ません。ぼくも実物は、『レンズマン・シリーズ』で一度見ただけです。
現在カクヨムでは、「」内で普通に改行して、行頭一字下げをしてセリフ続行という形式がとられています。書籍でも、それがあります。
ここはちょっとグレーゾーンですね。
結論から言って、そんな長いセリフは書かないほうがいいのでは?とも思いますが、それは作者の自由でしょう。
セリフの最後は」で締めますが、そのさいに読点、句点はいれません。
「おはよう。」とはしません。いれていいのは、『モーニング娘。』さんと『藤岡弘、』さんだけです。
かぎ括弧はこれくらいでいいですかね? なにかあったら追記します。
セリフの話が出たので、会話文の話もちょこっとしましょう。
小説初心者の方は、会話文がどうしてもこうなります。
「おはよう」
ケンが言った。
「おはよう」
リュウが言った。
なんか英語の教科書みたいになってますね。
小説ではこうしましょう。
「おはよう」
ケンは疲れたように席に着く。
「おはよう」
リュウは苦笑して肩をすくめた。
言った、は重要ではありません。大事なのはセリフを言っているのが誰であるか?だけです。言ったということは「」で分かりますから、いちいち説明する必要はありません。
この形式にすると、ケンとリュウの「芝居」も文章に挿入できます。
また、席に着くや肩をすくめると書く代わりに、ネクタイを締め直すというような動作を入れると、そのキャラがネクタイを締めているということをついでに解説できます。
上手い小説家は、こういうサブリミナル的な、背景情景描写を使いこなします。
リュウとケンの会話の話はあと少しだけ次回もします。
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