第11話 簡単な小説の書き方くらいは書いておきます


 さて、カクコンの戦い方はだいたい解説できたでしょうか?

 ここからは、初心者向けに、簡単に小説の書き方を解説していきます。小説の書き方といっても、創作論ではありません。小説の体裁についての話です。



 まずは、以前にお話したキャッチコピーの話から続けましょう。


 素晴らしいキャッチコピーが書け、読者の目を引きました。が、そこで読者が躊躇するポイントがあります。


 タイトルです。


 カクヨムでは、駄目なタイトルがあります。タイトルはその書き手の作家性なので、他人が口出しする問題ではありませんが、これだけはやめた方がいいというタイトルがあります。


 例を上げましょう。

 たとえば以下の3つのタイトル。どうでしょうか?



『十角館の殺人』


『Ancient Cthulhu』


『君の膵臓をたべたい』



 名作小説のタイトルはどれもタイトルからして面白そうです。


『十角館の殺人』なんて、十角館って何?って思わせておいて、あとに続く殺人の二文字で、これがミステリーであることが分かり、そのくせめちゃくちゃ興味を引きますね。


 また、『君の膵臓をたべたい』ってタイトルはもう説明の必要もないと思います。


 で、『Ancient Cthulhu』ですが、これどうでしょう? 


 読めますでしょうか? というか、読みましたか?


 カクコンのランキングの中で、面白そうなタイトルがずらーっと並んでいる中に、もしこんな英文タイトルがあったとします。


 読者はがんばってこれを読むでしょうか?


 読みません。

 少なくともぼくは読みません。


 英文というだけで、スルーします。キャッチコピーが良ければ気にしないかも知れませんが、これだれは覚えておいて下さい。


『英文タイトルは、無視されます』


 ちなみに『Ancient Cthulhu』は、『エイシェント・クトゥルフ』と読みます。

 カタカナにしても、あまり面白そうではありません。また、カタカナだけのタイトルもあまり推奨しません。

 キャッチコピーが良ければ覗きに行くかも知れませんが。



 これのどこが問題かというと、本来は読者の興味を引く部分が、「キャッチコピー」と「タイトル」なのに反し、与えられる情報量が半減してしまうということです。


 ただ、小説のタイトルは、作者の作家性を現すものなので、あまり難癖はつけたくないです。


 が、カクコンはスタートダッシュが大事です。公開したけど、誰も読んでくれなくて、慌てて何やら変なことをやりだすより、最初から読まれる工夫を織り込んでおくのも重要だと思います。


 とはいえ、ここもすでにエンターテインメントの一部ですよね。


 ある方が言っておられました。


「小説のタイトルは、世界最小の文学である」と

 


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