第6話:今寄家に訪ねて来た2人組。

キッチンから見えたその人たちはサングラスをかけた怪しげなアジア人?

日本人じゃなさそうな雰囲気の男たちだった。


「あの・・・どのようなご要件でしょう?」


「未久・・・誰?」


僕が未久の後ろから声をかけた。


「それがね、私に用って人が来てるんだけど・・・」


「あ〜あなたが未久さん?」


二人組の一人が流暢な日本語で言った。


「はい・・・ですけど、私に名前を確認するってことは、あなたがたは

私を知らないし一度も見たことないってことですよね 」


「そんなことはどうでもいいんです・・・余計なことは言わず私たちと

一緒に来てもらいましょうか?」


「知らない人について行っちゃいけないんですよ」

「小学生の時、親や先生から教わりませんでした? 」


ふたりの男はお互いの顔を見合わせてから、ひとりの男が言った。


「わけの分からないことを言って拒否するなら強制的に連行しますよ 」


「私は今寄家の家族です」

「あなたたちに勝手に私を連れていく権利はありません」


男たちと未久のやりとりを聞いていた僕は辛抱たまらず急いで玄関に走った。


「あんたたち、なんなんですか?」

「いきなり失礼だろ?」

「本人が嫌だって言ってるんだから・・・帰ってくれ!!こっちはあんたらに

用事なんかないんだ」


「いえ、私達も無理強いはしたくないんですがね・・・」


「なんか知りませんけど、どうぞおひきとりください!!」


僕は男たちに強めに言った。


そしたら男のひとりが僕に手を出そうとしたので、未久はめっちゃ早い速度で、

その男の腕を持ってひねった。


「あいたた・・・痛いだろう?・・・離せコラ」


「おとなしく帰ります?・・・それとも警察呼びましょうか?」


「いたたたたた・・・わ、分かった、分かった・・・だから手を離してくれ」


未久は男の腕を掴んでいた手の力を緩めた。


「なんてバカヂカラな女なんだ・・・」


「あななたち何人集めても私には永久に買えませんから、どうぞお帰りください」


未久が男の腕を離すと、男は憎たらしそうに暴言をはいた。


「覚えてろよ・・・このままで済むと思うなバカ女」

「われわれは諦めないからな」


そう言うと男たちは腹いせみたいにドアを勢い良く締めて帰って行った。


「なんだ、あいつら・・・」


「なんで、あの男たちが訪ねてきたか・・・私に思い当たる節があるの」

「きっとたぶん、そうだ」

「ミッチ、私あなたに話さなきゃいけないことがあるの?」


「未久がめっちゃエッチい子だってことは知ってるけど・・・」


「バカ・・・そんなこときゃなくて」

「あの人たち、どこかの組織かどこかの企業関係の人間だよ、きっと」


「組織だって?・・・どちらにしてもブラックだな・・・」


「彼らが言ったように、私が目的だと思う」

「さっきの人たち、きっと私を回収しにやってきたんだよ」


「なんでこんなことになるんだよ、なんでそんなことが分かるんだ?」

「僕には意味が分かんないよ。平和にやってるのにさ・・・」


「お父さんが私を連れて帰ってきた時からこれは始まってたんだと思う」


「そういうことだからミッチにはちゃんと話しておかなきゃ」

「これから私が話すことに驚かないでねミッチ」


この話もご多分に漏れず、いち青年とサイボーグもラブコメになるかと

思ったがなんだかちょっと様子が違うみたいね。


つづく。



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最も危険な彼女。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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