第2話:未久ってこんなだっけ?
「そう言うことでみんな仲良くするように・・・」
井の頭はそれが定番であるようにそう言った。
そして教壇を降りた未久が嬉しそうに僕の横に来た。
未久は僕の横の席に座ると僕を横目でチラ見してニタッと笑うと自分の机を僕の
机にぴったりくっつけた。
「なにしてんの?未久」
「今日から学校では私が
「面倒見るって?」
「未知男ちゃん勉強も運動もいまいちでしょ・・・私がびしばし鍛えてあげる
から・・・それって彼女としても務めだからね・・・」
たしかに未久は僕より頭もいいし、運動能力・・・もまあよくてあたりまえだわな
サイボーグなんだから・・・。
未久が席についても男どもはまだざわついていた。
「うるさいぞ、静かに・・・そう言うことだからみんなもよろしくな」
「で、一時間目は自習な・・・いいな」
そう言って井之頭はクラスを放置して教室から出て行った。
井之原がいなくなるとクラスがさらに騒がしくなった。
いろんな声が聞こえて来る。
あれ、今寄の妹か?とか・・・兄妹で同い歳なんだから二卵性だよな?とか
めっちゃ可愛いじゃん?とか・・・でも、性格悪そう〜?とか・・・。
すると、すぐに未久が立ち上がって言った・・・。
「私に文句あるやつははっきり言え!!今後一切私と未知男ちゃんに関わるな」
「気軽に声なんか掛けたらぶっ殺すからな」
クラス全員、固まった・・・あまりの未来の暴言に誰も何も言わんかった。
一斉に静かになった。
「おい!!・・・未久」
「うるさい止めるな」
「あ、はあ・・・まじでか?」
「僕にだって親しい友人もいるんだぞ」
「今日、初登校でこれか・・・先が思いやられる・・・未久ってこんなだっけ?」
「明日からビシビシ指導されるのか僕・・・なんでだよ恋人同士なのに」
なんなんだこの高圧的な子は・・・何様?・・・可愛い顔してめっちゃ暴君じゃん・・・それがクラスの未久に対する印象だった。
「あの未久・・・登校してきたばかりなんだからクラスを敵に回すようなこと
はしないほうがいいと思うけどな、未久のためにも・・・」
「未久は新参者なんだから平和にやらないか?」
「未知男ちゃん私に文句あんの?・・・」
「おいこら、おまえら、なに見てんだよ・・・ぶっとばすぞ」
未久は僕たちを見ていた生徒にそう言って片足を机まで上げて啖呵を切った。
めっちゃスカートがめくれた。
ゲゲッ、パ、パンツ見えてるし・・・目の前なんだけど恥ずかしい場所、しかも
パンツは可愛いイチゴ柄・・・って、ああ僕が買ったんだっけ?
「未久、パンツ見えてる」
「見るな、スケベ、変態!!」
(お〜それが彼氏に向かって言うことか・・・自分が見せといて)
未久はすぐ机から足を下ろしてスカートでパンツを隠した。
「なんでだよ・・・家でだってパンツ一丁でうろうろしてるじゃないかよ」
って言うか・・・パンツだけの姿をモロに見るよりスカートの中から見える
パンチラってほうが興奮するってのは?・・・なんで?
それはね、未久の下着姿を見慣れてることもあるしモロ見えでは案外性欲は
湧かないもの。
そこに想像心みたいなものを掻き立てられるからエロく感じるんだ。
だからチラッと見えた未久のパンツで未知男が興奮したのはそう言う心理が
働いたからなんだな。
案外モロってのは興奮を誘わなかったりする。
どこかの原住民族のように、おっぱい丸出しの女性を見ても何とも思わない。
隠れてたりチラ見だったりするほうが興奮を誘うもんなんだ。
な訳で未久はクラスでは暴力的要注意人物に指定された。
実際、未久が暴力なんか振るったら誰も骨折くらいじゃ済まないだろうからな。
サイボーグなんだから・・・。
な訳でいくら可愛くても未久に告ろうなんてそんなバカで勇気のある男子生徒
は誰もいなかった。
つづく。
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