最も危険な彼女。
猫野 尻尾
第1話:彼女はサイボーグ。
僕の彼女はサイボーグ・・・いきなりSFだよね。
そんな映画があったけど、実際まじで僕の彼女はサイボーグなんだ。
なんで、サイボーグな女が僕の彼女になったか・・・。
それをこれから話そう。
僕の父親はロボットを製作製造する会社に勤めてる。
産業用ロボット、家庭用ロボット、医療用ロボット、介護ロボット、宅配ロボット、娯警備ロボット、掃除用ロボット
たくさんの種類のロボットがある中で軍事用「輸出」に作られているのは
サイボーグ。
サイボーグとは人間の脳だけ脳殻に収納して体を義体化「機械」した人造人間の
こと。
戦地での微妙な判断が必要になって来るからロボットよりサイボーグのほうが
いいんだそうだ。
今でも人間の脳はAIより優秀ってことなんだろう。
僕の彼女は両親とも亡くなっていて幼少から施設で育った。
そして中学生の時、不慮の事故「交通事故」で彼女自身も亡くなった。
だけど生前、検体登録をしていたらしく彼女の生きた脳はサイボーグとして
生まれ変わるため僕の父親の会社に提供されたらしい。
検体とは医学教育の充実と医療の発展のため死後自らの遺体を無償で解剖学
実習に提供すること。
サイボーグとして生まれ変わった彼女はまだ未成年と言うことで戦地に送られる
ことなく成人するまでの間、保留にされた。
で、今年は不景気だからって理由で、ボーナスの代わりにって父親には、
家庭用ロボットが支給されることになったらしいが、親父は僕の彼女になる子、
つまり保留されたまま会社で不用品扱いされてたその子を支給してもらって
家に連れて帰ってきた・・・あくまで家庭用として。
だから父親はサイボーグの女の子を我が家に連れて帰ってきた。
その子を見た瞬間、どこがロボットなんだって思った、普通に人間の女の子じゃん。どこがロボットって?・・・リボットじゃなくてサイボーグだ。
見た目の歳は俺と変わんないように見えたから親父にその子の年齢を聞いてみた。
そしたら作られたばっかで、まだ一年も経ってないからゼロ歳だろうってこと
だった。
そんな経緯で彼女は僕の家に居て僕と一緒に生活している。
同年代の男と女が一緒に暮らしてるんだから、生理的に嫌いじゃない限りお互い
自然と惹かれあっていく。
僕と彼女も自然とそうなった。
だけど肉体関係はまだない・・・その関係が必要になるほどふたりとも大人じゃ
ないから。
僕は男だから思春期真っ盛り、性に対してめちゃ興味ある年頃。
彼女とセックスをしてる妄想はする・・・だけど実際の欲求は理性でもって
抑えていた。
って言うよりサイボーグってセックスできるの?って疑問。
その疑問がはっきりしないことにはセックスもなにもないんだけどね。
僕の名前は「
僕の彼女の名前は「
人間だからサイボーグだからって偏見も差別も僕にはない。
彼女は体が義体ってだけで脳は人間なんだし・・・。
僕たちは恋人同士・・・なんだけど・・・問題がないこともない。
彼女、未久は言葉遣いがなってない・・・幼少の頃、施設で育ったから警戒心が
強いことと、ひとりで生きてきたため心を許した相手以外は人を敵対視する
傾向にある。
しかも自己中なところもある。
あと、自分の身の周りのことには無頓着、女の子なのにファッションにも興味が
ない。
父親もそう言うところは無頓着だから彼女の下着も服も僕が用意する。
そして未久は僕が通う
初登校の日、未久は担任の「
「新入生を紹介する・・・え〜と・・・今寄?・・・み、み、み」
「
井之原が未久を紹介する前に未久は自分で自分を紹介した。
「あ〜そう言うことだ、えへん」
と同時にクラスが、どよめいた。
そりゃそうだろう・・・
クラス。
クラスの男子が騒がないはずがないんだ。
僕と未来は兄妹ってことで学校に報告してあるから井之頭は彼女を僕の席の隣の
席に座らせた。
その配慮には感謝した。
離れ離れに座らされたら絶対、未久がふて腐れるのは目に見えてたから。
「そう言うことでみんな仲良くするように・・・」
井之頭はそれが定番であるようにそう言った。
そして教壇を降りた未久が嬉しそうに僕の横に来た。
つづく。
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