第113話

「俺、帰る。」




俺は面倒なことを聞かれる前に帰ろうと思った。




「...ちょっと待って。優菜への返事は?」




蒼大が俺を引き止める。



ここでそれ聞いてくるか?普通。




「...返事なんていらないよ。蒼大。」




そう言って、優菜は俯いてしまった。




「......優菜、来て。」




「えっ?雅くん?」




「優菜は俺が送ってくから。」




「ま、任せたぞ〜。」




奏が無理やり明るく言った。





雅と優菜がいなくなった幹部室にて...



「良かったのか?もしかしたらくっつくかも。」



「...それはそれでいいんじゃない?」



蒼大にはいつもの笑顔がない。



「ふふふっ。」



「レオ、どうした?」



「いや、おかしいと思って...。ふふっ。」



この部屋でレオだけが楽しそうに笑っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る