第110話
奏side
さっきから、雅は祐大の拳をかわし続けている。
どういう事だ?
「やっぱりそうか。」
「瑠樹、何がやっぱりなんだ!?」
「おそらく、雅が朱雀だ。」
「はぁ?嘘だろ!」
「...最悪。」
「何、言ってやがる!」
パシンッ
雅が祐大の拳を腕でいなした。
「もう止めません?」
気だるそうに雅は言った。
「お兄ちゃん、雅くんは強いよ。十分、分かったでしょ?」
「チッ、今度は容赦しねぇからなっ。」
今ので十分すぎるくらい、雅の実力は分かっちまった気がするけど?
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