第82話

雅side




次の日。




今日も溜まり場という名の空き教室にきている。

そして、ここに来て意外と和んでしまっている自分がいる。



慣れというものは恐いな。




「そういえば、もう少しで交流会だな。」




「交流会?」




すると突然、空気の読めないスマホの音がなった。




「あ、私っ。...誰からだろう。」




「俺たち以外の連絡先っつったら親とかか?」




それ、ある意味失礼だよな。


友達いないって言ってるようなもんだ。




だが、奏が言っていることは見当違い。




あれは俺が送ったものだ。

昨日の夜送ったものだけど、時間差で着くようにしてある。


まぁ、優菜は俺だって知らないけどな。





「えっ?」



「どうした?」



「いや、何でもない。」



「俺そんな頼りないかな。」



「えっ?何?蒼大。」



「ううん。」



そう言って微笑む秋宮は、確かになんでもないってよく言われてるような気がしなくもない。


ちょっと可哀想と思ったり思わなかったり。




そんな雅は自分が蒼大の恋敵だなんて知る由もない。

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