第81話
「大袈裟。」
一瞬私の頭に手を置いた彼は、そう言ってその場から去っていった。
その際に私を見て笑った顔は言いようのないものだった。っていうか、二度も笑ったところ見ちゃったよぉ。
そんなことをされた私はというと現在、触られた頭に手を置いて固まっています。
「優菜ー?大丈夫かよ?」
「奏どうした?」
「え?蒼大...、いやー何でもないぞ?」
「...。」
私ただただ楪くんの背中をずっと眺めていた。
「蒼大?」
「優菜の視線の先を見たら分かるよ。」
「そ、そうか。」
「強敵だなぁ〜。」
奏と蒼大がそんな会話をしていたなんて私は当然知らない。
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