第78話

雅side




相手の男、絶対にシスコン過ぎるせいで妹に逃げられたと思う。



例えばその妹さん、この男総長って言ってたし顔整ってるから、そのことで周りから妬まれたりもしたんじゃないかな。




溺愛しすぎなんだこの兄貴。





「俺の妹の名前は神木 祐奈だ。漢字はこう書く。」




ん?なんか聞いたことあるような名前だ。

漢字とかは違うけど。




「後、写真はこれ。」




それを見て私はあぁ、やっぱりかと思った。




「可愛いだろ?」




そこに写っていたのは、私の知っている名前で言うと神田 優菜という人物だ。




「じゃあ、調べておくので一週間後にまたここに来てくださいね。」




「おぉ、金はどうする?」




「その人物が会うって言ったら貰います。あなたの依頼はそれでしょう?」




「...分かった。じゃあ、一週間後な。」




そう言って彼はこの部屋を出て行った。





「さて、どうするか....。」




誰もいない部屋に私の声が響いた。

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