第77話

「で?引き受けてくれるか?」




無言になったユズに俺は答えを急かす。




「親は?どうしてるんですか?」




「...親は海外にいて、俺らは放置だがら。」




「じゃあ、警察は?」




「いや、実は置き手紙があって...、高校生の間はここを離れますって。」




「じゃあ、攫われたとかじゃないんですか。」




「あぁ。おそらく。...で?どうなんだ?」




なかなか、答えを出してくれないユズに不安を抱きつつ再び問う。




「貴方から逃げたんじゃないんですか?」




は?何言ってんの。




「...意味が分からないんだが。」




「...まぁ、いいです。人探しの場合相手があなたに会いたいって言うなら会わせますが、会いたくないって言うんならこの依頼は無しということで。」




会いたくないなんて、言うわけないだろ。




「...分かった。」




「で、調べたい人の名前は?」

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