第76話

客の男side



この店の評判は良い。



引き受けた仕事は最後までやり通し必ず情報を持ってくる、と。



「じゃあ、理由は?」




しかし、動くか動かないかは金と理由と...






気分だそうだ。





ひとまず、金の方は大丈夫そうだ。

次に理由か....。




「そんなの、心配だからに決まってるだろ!大事な妹なんだ。」




「なるほど?では経緯を聞かせてください。」




そう言った、ユズに対して俺はこれまでのことを話した。




「実は、俺は族の総長をしてるんだが妹が4月で高校生になるから当然同じ高校に通うと思ってたし、俺のところの姫にしようと思ってたんだ。」




「なんで姫にする必要が?」




「それは...できるだけ離れたくなかったからだ。」




「シスコンなんですか?」




「な!それは別に関係ないだろっ。」




「まぁ、いいでしょう。続けて。」




「...それで、いなくなったのは2月。

抗争の後、その日は帰るのが遅くなったんだが家に帰ったらいなくなってた。



妹と同じ中学の仲間たちはいつも通り送ったと言っていたんだが。」



「...。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る