第71話

朱雀side



また会いたい?




どうすればいいんだ?




朱雀の姿で会うのは彼女にとって危険なだけだ。




そうとなると...。




「優菜。」




「えっ?今私の名前...。」




「電話越しに聞こえてたから知ってる。

っていうわけでもないんだけど


....どうかしたか?」



いきなり泣かなくなったからどうしたのかと聞いたら。




「い、いえ!嬉しくてっ。」




俺は今フード被ってて目の前の彼女がどんな顔してんのか分かんないんだけど、笑ってると思う。




俺はその邪魔なフードをとった。




「っえ?う、嘘!」




「ほんと。」




優菜の目は泣きじゃくったせいで少し腫れてた。

可愛い顔が台無し。



...泣かせたのは俺か。





「ゆず、りはくん?」




「そう。また会いたいって言ってたけど朱雀の姿じゃ滅多に会えないし。学校でなら毎日部屋で顔合わせるから。」




「声が...似てると思ってたの。あれ?でも、身長が。」




「ああ、それはこの厚底のブーツのせい。」





やっぱり、声に関しては気づく人は気づくか。

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