憂鬱な日々

第65話

優菜side




「はぁ。」




「どうした?優菜。」




「ううん。何でもないの。」




あの後、無事にみんな帰ってきたけど大塚先輩や楪くんが部屋から出て行ったの私のせいな気がしてならない。




でも、実はため息の原因はそれだけじゃない。




朱雀さんに助けてもらったあの日から、数日後に勇気を出して電話をかけてみたんだ。




そしたら、現在この電話番号は使われておりません だって。




かなりショックを受けた。




あの時だって、去り際に面倒ごとはごめんだって言ってたのを聞いて思わず泣いちゃったし。蒼大は恐かったからだって思ってるけど。

(蒼大にはタメで呼び捨てと言われた。)




電話が繋がらなくてまた泣いた。






私、朱雀さんのこと好きになっちゃったみたい。



...顔も見たことないけど。






私はふと目の前の楪くんに目を向けた。



楪くんの声、どことなく似てる気がするんだ。彼の声に。




でも、身長も全然違うし。




同一人物なわけないんだけど。どうしても、彼が気になっちゃう。

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