8
六時限目が終わった後、直ぐにHRも終わると、帰り支度を済ませて帰ろうとした。
その矢先、背中を叩かれて思わず振り返ると、彼が僕を呼び止めた。
「ゆ、夕凪くん…!?」
「朝比奈~ちょっといいか!」
「な、な、何?」
笑顔で僕に話掛けてくる彼に驚きながらも話を聞くと、彼は鞄の中から何かを取り出した。
其方に視線を向けると、それは見覚えのあるものだった。
「あっ……そ、それは」
「ジャーン!また俺も借りてきた!!」
彼が目の前に掲げたそれは、僕が昼休みに返却したあの催眠術の本だった。
「でさぁ、朝比奈にお願いがあんだけど~」
「えっ、な……」
『何を』と告げようとした時、彼が僕の目を見つめて指を鳴らした。
「───次は、お前が掛けられる番なっ……!」
パチン。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます