第13話
テレビ番組ではニュースの他にも、ドラマ、バラエティー、音楽番組…と、全ての番組が元の姿を変えていき、徐々にテレビを見る事が怖くなっていった。
そして、自分の考えが外に筒抜けのサトラレ状態は、対テレビのみに留まらず、自分以外の人すべてに対して起こるようになっていった。最初の内は、聞かれて困る事、隠し立てする事は何も無い。だから、大丈夫。恐れる事は何も無い。そう、たかをくくっていた。
隠しだてする事が無くても不都合は起きた。私は、車を運転しながら音楽を聴くのが好きだ。CDに合わせて一緒に歌う事もある。
その日は、仕事を休み週休・年休を使い果たし、以前鬱状態で受診したことのある心療内科へ相談に行くために、久々に外出をした。
その道中、当たり前の様にお気に入りのCDをかけると“おかしなこと”が起きたのだった。
CDプレイヤーから音楽が流れる。私が聴く。私の頭の中で音楽が流れる。私の頭の中から、音楽が外に漏れる。それが何故か大音量で、車の上部に拡声器の付いた、選挙カーか凱旋車の様に、町中に響き渡ったのだ。騒音レベルだと感じた。それから、車のCDプレイヤーは封印されたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます