異常気象

第11話

身の回りで様々な“おかしなこと”が増えて行き、仕事上で精神的限界が近づいていた頃それは起こった。


いつものように、テレビをつけると、そこに映ったのは、大津波の被害を伝えるニュースだった。場所は、丁度日本の裏側。外国での出来事だった。だが、同じ地球上での出来事だ。

その大津波が起こる、少し前、人間の感情と天候はリンクしていて、相互に影響を与えあっているのではないか?と漠然と感じる出来事があったばかりだった。

その時は、確証は無く疑問として私の記憶の中に残っただけだった。しかし、今回は違った、「私のせいだ。」まず、そう思った。そして「私が、この新しい環境で、仕事のノルマをこなせなかったから、歪みが出来て大津波が起きたんだ。大勢の人を犠牲にしてしまった。」と、感じ「やっぱり、感情と天候はリンクしている。感情の波は、極力抑えなければ」と思い込み、結果、自分の精神状態を更に追い詰めて行ったのだった。


そしてそれは、新たな“おかしなこと”の増える、始まりでもあった。次に起こった事は、俗に言う「サトラレ」状態。自分の思考、頭の中が全部外に筒抜けになっている感覚だった。そして、それはテレビの中の人達にも、聞こえていて、ここにも相互関係があるように感じた。

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