第10話
待ち合わせの友達は、まだ姿を見せない。重なった世界と、頭の中に直接響くテレパシーのような「カワイイ」というコトバ。違和感はあったが、特別恐怖や不安を感じる事は無かった。
そして、何とはなしに立っている場所を、少し移動した。そこは、エスカレーターを昇り降りしている人達が良く目に入る位置だった。
時計の前で待ち合わせ
目の前のエスカレーターは
途絶える事無く人を運んでいる
ふと、不思議な事を感じた。下の階から昇って来る人たちは、皆一様に重い荷物を抱えている。それは、病という名の荷物だった。そして、下の階へ降る人達はまた一様に、身軽な体に何か荷物を受け取って去っていくのだった。
私は、何故かこう思った。
「世界は動き始めているんだ
オモイモノハ上へ カルイモノハ下へ
そう バランスを取るために
病んだモノは天使の前を通るとカルクなり
健康(身軽)なモノは病を背負い旅に出る
病を通して人は成長するらしい
病を糧とし 魂は輝く
今年は 私が天使の当番なんだって!?
オモイモノハ上へ カルイモノハ下へ
行けるよう・・・
道を作る力を授かった 私に課された役目
それは 沢山の人と行き交うこと」と。
まだ、世界に“おかしなこと”が起こる前、接する人を笑顔に出来る様な人になりたい。その入り口は、人によっては、音楽だったり、文章を書くことだったり、楽しい話題を提供することだったり、方法は様々だろう。私にとっては、まずは職場の受付窓口からだ。そんな風に思っていたが、無意識の世界の中で、それと何か関係があったりしたのだろうか…?今になってそう思うが、真実は分からない。
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