職場編
仕事始め
第2話
正月休みが終わり、今日は仕事始め。
私が看護師として勤める〇〇大学病院では、電子カルテ化へ向けて昨年度から準備を始め、段階的にシステムの移行を行っている最中だ。
私の所属する内科外来も例外ではなく、第一段階として、今日から外来患者さんの受付が、従来の窓口から、機械化へ変わる事になっている。患者さん自身が診察券を受付機に通し、出て来た案内用紙に添って、検査や受診科へ向かうという仕組みだ。年内に、シミュレーションや会議を行い、患者さんへの案内の仕方など準備は整っているが、実際混乱なくスムーズに行えるかは、当日勝負というのが現実だ。
緊張しながら早めに出勤した。受付開始前の診察室、処置室の準備。パソコンに電源を入れる。慣れた作業のはずだった。しかし、忘れていた、今日からパソコンも全部新しい物に入れ替えられるんだった。
まず、一つ目の診察室に入って違和感を感じた。「部屋が荒らされている」。それが、第一印象だった。パソコンを設置した時に業者の人が物を移動させたのであろうことは予測がつく。片付ける前に隣の部屋を覗く。僅かな期待は裏切られ、同様に散らかった部屋が目に入り腰を据えた。診察室は、21番まで部屋がある。順番に片付けるしかない。早く出勤して正解だったという思いが頭をよぎった。
物品の定位置は決まっているので、手早く整頓していく。それより私を悩ませたたのは、新しいパソコン。前のと同じ場所に電源が無い。電源を見つけて起動させる作業が一番手間取った。この事は、もともとパソコンの苦手な私に更に、新しいパソコンに対する嫌なイメージを植え付けたのだった。
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