第2話 焼き肉デート?
「遅い。しかもなんだよその服、相変わらずダサいな。」
二兎の家に彼を迎えに行ったら一言目がこれだった。
「二兎に会うために気合い入れた服なんか着ないし。ていうか二兎もダサいし!」
「それもそうか。よし、お互いダサい服だし今日は焼き肉行こうぜ!煙臭くなっても平気だろ?」
二兎は憎まれ口を叩いたことなんてなかったことのように笑う。
今は変な小説を書いているどうしようもないダメニートだけど、明るい性格は昔からずっと変わらない。
「タン塩、カルビ、ハラミ、ホルモン盛り合わせ、大盛りライス、あと生ビール二つください!」
席に着くなり二兎が元気よく注文する。
「あっ、あとサンチュと小ライスもお願いします!」
私も慌てて注文を付け足す。
ていうか席に着くなりこっちのことお構いなしにいきなり注文するってどうなの?
隼人さんだったら絶対にこんなことしないんだろうな...。
気を取り直して席に運ばれてきた肉を焼く。
うん、そろそろいいかな?とわくわくしながら箸を伸ばした瞬間、二兎が食べ頃のタン塩を奪っていった。
「うめぇ~!愛が焼いた肉ってほんと美味いよな~♡♡♡」
「それ私が食べようと思ってたのに!最悪!」
でもただ焼いただけの肉なのに美味いって褒めてくれるし、本当に美味しそうに食べている姿を見るとつい私も笑ってしまう。
「はぁ~、マジで美味しかった!愛、今日もごちそうさま~!!!」
「え、今日こそ割り勘って言ってなかった?」
「俺がそんなに金持ってきてると思う?まぁいつか売れっ子小説家になったら返すから、ね!」
またこれだ...。
今までいくら二兎に奢ってきたかを考えると頭が痛くなる。
「うちのお姉ちゃんですら就職はしてなくてもバイトはしてるんだよ?二兎もいい加減働きなよ。」
「いや、働いたら負けだろ。それに俺には才能があるから大丈夫!」
才能があるならとっくに売れてるだろ...と呆れながらも会計を済ませて二人で店を出る。
今ごろお姉ちゃんは隼人さんと楽しいデートをしてるんだと思うと余計に悲しくなる。
「はぁ、私もやっぱりお姉ちゃんみたいに素敵な彼氏が欲しいな...。」
そう呟いた瞬間。
「おい、こんなガチャガチャ、さっきあったか???」
と二兎が言う。
二兎が指差した先には【スーパーダーリン☆ガチャ】というガチャガチャがあった。
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