第10話
久々に帰って来た私をみんなは盛大に迎えてくれた。
おばさんの料理は相変わらず美味しくて、みんなも変わっていなかった。
「え!じゃぁ新しい下宿の人決まったんですか!?」
「あぁ、来週からね」
おじさんがビールを飲み干す。
「だからね、菜緒ちゃんの部屋その子に開け渡す事になっちゃうのよ」
空になったおじさんのグラスにおばさんはビールを注いだ。
下宿を出た今でも私が使っていた部屋は綺麗に残してくれていた。
「そんな!気を使わないで下さい!私はもう出て行った身だし」
隣の優子さんが「菜緒ちゃん大丈夫だよー!瞬の部屋で寝たらいーじゃーん」と当たり前のように提案する。
「ちょ…!優子ちゃん今それ言っちゃ…」
ハルさんがすかさず割って入り、おじさんへ恐る恐る目を向ける。
「瞬の部屋だと…?」
肩を震わせながら「そんなこと絶対に許さんぞー!!!」と、瞬へ怒鳴った。
「まだなんも言ってねーだろ!!!」
「そもそもお前と菜緒ちゃんが付き合ってるなんて俺は知らんかったぞ!!」
「親父が鈍いだけだろーが!!!」
匡哉君が名物だと言うように「また始まったよ!」と、お腹を抱えて大笑いする。
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