第2話

私が落ち着いた頃、「てゆーか私付き合ってないしね」と弥生が仕切り直した。


「まだってことでしょ!?2人で遊んだりしてるじゃーん」


「んー」


「土屋君もさっさと告っちゃえばいーのにね!」


まんざらでもない弥生は「ほんとにねー」と、頬杖をついた。




弥生と土屋君の話題で私は気を抜いていた。


「で?」


今度は弥生が振り出しに戻す。


「菜緒はどーなの?」


またも咳き込みそうになるが堪えた。


「ど、どうって?」



2人同時に「本郷君に決まってんでしょ!」と突っ込まれる。


どう…と聞かれても困る。


「特に…だよ」


嘘ではない。


話せることは特にない。



だが、千佳と弥生からしてみれば納得がいかないらしい。


「特になわけないじゃーん!」


「そーだよ!付き合って3ヶ月とかでしょ!?」



私はストローを口に含みながらコクンと小さく頷く。



「キスとか色々あんじゃん!!」


「その先とかね!!」


2人は同調するように相槌を打った。


そして私の答えを待つ。


けど私からの返事は、チュー…とストローを吸う音のみ。


ほんの一瞬の間、無言が続いた。




先に口を開いたのは「え!?待って!もしかしてキスもまだ!?」と、驚く弥生だった。

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