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第1話

三年生になった春。




「やー!こんな事ってあるんだね!」


「3人ともまたクラス一緒なんて奇跡だよ!」


千佳と弥生が「これは運命っしょ!」と声を揃える。




学校から少し離れた場所にあるファミレス。


学校帰りにこうして3人で時間を過ごすのはよくある事。



三年生になった私達は、2人の言うように奇跡的にまたクラスが同じになった。




「運命と言えば!!」


千佳が口元を緩めながら切り出す。


「そっちも運命じゃん!?」



千佳と交互に目が合う私と弥生。


「運命?」


そう首を傾げる私と同様に、弥生も首を傾げた。



主語を省いて話を進めるのは千佳の癖である。


「もー!とぼけちゃって!」


そう言いながら本題に入るのがいつもの会話の流れ。




「君達の彼氏でしょーが!」



ジュースをストローで吸い込む途中。


聞き慣れないワードにゴホッ!と、私は勢いよく咳き込んだ。


「わ…ちょっと菜緒大丈夫!?」


「変なとこ入った…」


心配した弥生が背中をさすってくれた。


「水いる!?」


「ううん…大丈夫…」


「もー千佳がいきなりそんな事言うから菜緒が咳き込んじゃったじゃん!」


「ごめんごめん!」

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