第3話
私はもう一度、小さく頷き返した。
「嘘でしょ!?」
「えー!!なんで!?」
2人の質問攻めに「わかんないよ」と頼りなく返す。
「それほんとに付き合ってんの!?」
「…多分」
「多分てなに!!」
「でも修学旅行の時キスしたんでしょ!?」
「あれは付き合う前だもん」
「それもそれでおかしーじゃん!」
「付き合ったらキスするでしょ!!」
まるで責められてるように感じた私は「わかんないよー…」と吐露する。
瞬と想いが通じ合ってから3ヶ月。
私も2人の言うような事に悩まされていた。
でもこんな話、相談できるわけがなかった。
私の様子を見かねた千佳と弥生は、「いー雰囲気とかにはなったりしなかったの?」と遠慮がちに尋ねてきた。
「いー雰囲気…」
復唱しながら記憶を手繰り寄せる。
あれは確か、信長と秀吉の散歩の時だった。
瞬も部活で忙しく、家に帰っても下宿先のみんながいるわけで。
中々2人になれる時間がなかった。
ただその時は、ランニングへ行こうとする瞬へ優子さんが「菜緒ちゃんも一緒に散歩がてら行ってきなよ!」と気を利かしてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます