第16話
「そろそろ花火の時期じゃん?」
「コンビニで買ってくるか?」
「まだ売ってねーよ」
みんなの会話を聞きながらタバコを吸っていると、道路を挟んだ向かい、何件か並ぶ建売住宅の前に車が一台停まった。
細身でスラッとした男と、少しそれより低い男が出てきてトランクから荷物を取り出す。
「どうした祐?」
「あれ」
「あ~引っ越しか」
「こんな時間にか?」
「夜型なんじゃねえの」
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