第139話
しかし、彼らの不興を買い、授業は崩壊状態になった。
彼らからそれとなくクラスメイト全員にあの教師の授業はまともに受けないよという指示が下った。
私達はそれに従った。
少なくとも明確に反対はしなかった。積極的にしろ、消極的にしろ、彼らの意向に沿うように私達は振る舞った。
結果、その先生は学校を辞め、鬱病になり、入院していると聞いた。
私たちの中、最初に罪悪感が芽生えた時だった。
続いていじめが始まる。
いじめの対象となったのは6人の生徒。
この時も私達はいじめ対象者助けることをかばうこともせず、消極的にせよ、彼らに従った。
徹底的に見て見ぬふりをし、時には言われるまま加担したり。
それもこれも彼らに次のいじめのターゲットとして選ばれたくないという保身からくるものだった。
彼らが私達の代わりに苦しんでくれる間は、私達は普通に過ごしていけることができる。
自分でも、なんて卑劣なんだろうと思う時があった。
日々を過ごしていくうちに、芽生えた罪悪感がどんどん育ち、それを見たくない故、さらに保身に走る。
自分の卑劣さを正当化する日々が続いた。
そして、自殺が起こった。
一番ひどくいじめられていた石井君という男子生徒が学校の中庭にある桜の木で首をつった。
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