第138話

でも1年の中頃を過ぎたくらい変化が起きた。



クラスでいじめが始まった。



始めたのは額賀翔、府川楓、鈴木奏、岩瀬結奈、波多野佑真、田島百音。この6人だ。



この6人はクラスでも目立ち発言力もある中心的なメンバーだった。



行事や何かある時のクラスの方向性を決定付ける力を持っている。



それは彼らが皆から慕われていたからこそ、そういう雰囲気が出来上がったんだ。




しかし、それは間違っていた。



いつの間にかクラスには階級のようなものができて……もちろん最上位にいるのはあの6人だからみんなあの6人には目をつけられないよう、不快に思われないように気を配って過ごしていた。




私の見ている限りだと、クラス内の階級はあの6人の中にも明確にあった。



トップにいるのが、額賀性と府川楓。



他の4人はこの2人の一段下にいる。



彼らがトップ2人に異常なまでに気を使っているのを感じることもあった。



とにかく時間が経った頃には私達のクラスがこの6人に支配されていたと言っても過言ではない。



その影響力は絶大で、教師ですら無視することはできないものだった。




熱心な先生が居るには居た。

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