第134話

石井君は残された私のためにこうして呪いをかけてくれた。



私はもうこの世に存在しない石井君の意志を、呪いを成就させるために献身的に尽くしている。



なんて美しい私たちの想い!!




そうだ……この呪いは私と石井君の美しい想いの結晶なのだ!!



自分大事人間にはおぞましくどす黒い呪いにしか見えないだろう。



でも私たちにとっては美しい想いだ。




そう考えるとこの呪いは私と石井君の子供のようなもの……とてもとても愛しく思えてくる。



その考えに至ったとき、私は恍惚感に満たされていた。







話し合いが終わり家に帰るとノートに先生とクラスメートの名前を書き連ねた。



タイトルは「呪いをあたえるべき者たち」。



ここまでの犠牲者でここに名前のない者もいるが、そんなことはどうでもいい。



そんなこと私は知らない。



楓や翔の名前を赤線で消していく。




「まだけっこう残ってるなぁ……どっかで一気に片付ける方法を考えておこう」




私は石井君の呪いに協力するためにも動かずにはいられなかった。



そのとき、あの黒い靄を思い出した。



あいつらはなんなんだろう?

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