第133話
そういえば私が入学した当初、このクラスはどんなクラスだったんだろう?
少なくてもこんな異様なクラスではなかった。
入学した当初、私はどんな気持ちで学校に通っていたんだろう?
あの頃はまだ、いじめはなかった。
思い出は過ぎ去ってから宝になると聞いたことはあるけど、私の中にこの学校、このクラスの思い出は宝なんてものではない。あるのは吐き気を催すような記憶だ。
いや一つだけあった……
石井君が死ぬ前に想いを交換してキスをした。
あの一件だけが私の学校生活の中でとても綺麗なものになっている。
これから死のうとする、まさに人の命が消えかける寸前の美しい告白。
まるで宝石のように大事な記憶の宝物……
目の前にいるクラスメートと石井君は別物。
まるで別物だ。
こいつらは徹頭徹尾「自分!自分!自分!」
自分が良ければそれでいい。
典型的な自分大事人間。
でも石井君は……石井君と私は違う。
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