第131話
人間とは恐怖から逃れたい本能が極まるとここまで見境なく攻撃的になれるのか。
これはこのクラスメートに限ったことだけではないだろう。
これが人間の本能なのだ。
その前では安っぽいヒューマニズムなんてものは嵐の中の小舟でしかない。
「みんな止めて!」
委員長が叫んだ。
「これで本当に終わるの」
委員長が目を開けて、私に聞いてくる。
「私に聞かれてもわからない。ただ私だったら、石井くんの呪いに協力する。もしこれで呪いが終わらなかったら、またみんなで集まって考えるとかすればいいんじゃないで、どうすんの、あなたはどれを選択する?それともあなたたち三人が波多野と岩瀬の身代わりになる?」
委員長たち三人を見ながら言う。
クラスメートの野蛮な視線も集中した。
「ああ……わかった私は岩橋さんと波多野くんを殺すことを賛成する」
「みんな委員長は決断したわよ!はい、拍手――!!」
武藤さんが調子に乗ってみんなを煽ると室内に拍手の音が溢れた。
「やめて!やめて!そんなんじゃない!!」
委員長が怒鳴る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます