第131話

人間とは恐怖から逃れたい本能が極まるとここまで見境なく攻撃的になれるのか。



これはこのクラスメートに限ったことだけではないだろう。



これが人間の本能なのだ。



その前では安っぽいヒューマニズムなんてものは嵐の中の小舟でしかない。



「みんな止めて!」



委員長が叫んだ。



「これで本当に終わるの」



委員長が目を開けて、私に聞いてくる。



「私に聞かれてもわからない。ただ私だったら、石井くんの呪いに協力する。もしこれで呪いが終わらなかったら、またみんなで集まって考えるとかすればいいんじゃないで、どうすんの、あなたはどれを選択する?それともあなたたち三人が波多野と岩瀬の身代わりになる?」



委員長たち三人を見ながら言う。



クラスメートの野蛮な視線も集中した。



「ああ……わかった私は岩橋さんと波多野くんを殺すことを賛成する」



「みんな委員長は決断したわよ!はい、拍手――!!」



武藤さんが調子に乗ってみんなを煽ると室内に拍手の音が溢れた。



「やめて!やめて!そんなんじゃない!!」



委員長が怒鳴る。

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