第130話
「楓の両親だって、原因不明の死に方をしたんだし、呪われたら自分だけに呪いがかかるなんて都合よくいかないかもよ」
委員長は目を閉じて小刻みに震えている。
「ねえ、秋本さん、みんなを守るためだよ」
「そうだよ、こんなこと早く終わらせよ……そのためには頑張らないと」
委員長の両脇にいた小野寺さんと下地さんが委員長の方と背中を優しく撫でながら言った。
「まだ反対してるのかよ!」
「あんた、みんながどうなってもいいわけ!?」
「自分勝手!!自分が満足して似非ヒューマニズムに浸ってれば満足なの!?」
周りから委員長に非難の声が飛ぶ。
「止めなよ!そういう言い方!」
「あんたたちそんなに人を殺したいの!?」
小野寺さんと下地さんが委員長を庇った。
しかし、それは火に油を注ぐだけだった。
「こいつらも邪魔じゃない?みんなが助かるためには」
「言えてる……邪魔だよね」
「この三人も生贄がいいんじゃない?」
「そうだよな……裏切るかもしれないし」
身勝手な憎悪が委員長たち三人に向けて生成されていく。
私はその様を眺めていた。
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