第129話

「もしこんな死に方はしたくない、助かりたいと思うなら石井くんの呪いに協力して殺すしかない。それが嫌なら……別に楓のような目にあっても構わないなら呪いを甘んじて受けるのもいいんじゃない?」



「しょうがないよな……」



「そうだよね……私達だって、やっぱり被害者なんだし」



「石井のお墓や自殺したところには、お参りしてちゃんとお詫びしよう」



「そうだよね、あの人達のおかげで私らだって学校生活息苦しかったし」



「っていうか、あの人達の為に私達が何で死ななきゃならないのよ?」



「そうだよ、もう実際死んでる人とかいるんだし!」



「あいつらが悪いんだ!!」



「そうだよ、あいつらが悪い!!」




場の空気はようやく一つになってきた。



中には泣き出している者もいる。



もはや1人を除いて、佑真と結奈を殺すことに反対する人間はいないように見えた。



「委員長、あなたはどうすんの?これだけ聞いてもまだ、呪いを甘んじて受けようとかいい子ちゃんでいようと思う?家族も巻き込まれるかもしれないのに」



みんなが恐れている呪いで、家族も巻き込まれた事件が起きている。



私はそのことを思い出させてやった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る