第125話

委員長の話には確かに説得力があった。



誰もが罪の意識を感じている。しかし、それは石井くんのいじめを見て見ぬふりをしたことというより、現実に人を殺してしまった……そちらの方が大きい。



呪いから逃れるため、助かるために人を殺す。このことを正当化させる傾きが崩れてきた。



この期に及んで正しいこと、正義を振りかざす奴なんて薄気味悪いったらありゃしない。



委員長……いや、秋本智子という女に対して私は嫌悪感を抱いた。



「そんなに綺麗事言うんだったら、石井くんがいじめられてる時に言うんだね。石井くんだってきっとそう思うよ」



「それはそう……でも過去のことだから……今私たちにできるのは今話した二つのことしかないと思う」




過去!?過去だって!?


私は怒りで手が震えだしていた。


それを必死に抑える。




ふざけるな!ふざけるな!!ふざけるな!!!ふざけるな!!!!



なんだその綺麗事は!?そんなことを言うんだったらどうして私達がいじめられている時に言わないんだ!?



結局お前達は自分が殺されるという危機に面しなければ、人のことなんて考えもしないじゃないか!!



そういうやつらを黙らせるために、私の呪いがあるんだよ!!




クラスメートに対する憎悪が私の中でまたメラメラと燃え上がった。

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